当院の検査課は臨床検査部門、診療放射線部門を臨床検査技師2名、診療放射線技師1名(および非常勤技師2名)で検査業務を行っており、常勤放射線技師は臨床検査技師の資格も有しています。私たち検査技師は、精神科救急基幹病院の検査室として積極的に検査業務に取り組んでいます。
検査課目標
- 迅速かつ正確な信頼性のあるデータの提供を行います。
- 患者様には厳密な中にも心優しい対応を行います。
- 自己研鑚に励み、チーム医療の一翼を担います。
臨床検査部門
臨床検査は検体検査および生理検査を実施しており、検体検査は院内検査と外注との併用で行っています。
院内検査は、緊急検査の対応は勿論のこと、外来および急性期病棟の生化学・血液学検査、薬剤血中濃度(リチウム・抗てんかん薬の一部)を即日報告しています。
また、平成26年6月に電子カルテの導入により、検査データは検査機器とのオンラインで報告されるようになり、それまでの手入力によるデータ入力ミスのインシデントが回避されました。
検体検査
生化学検査
平成24年11月に臨床化学自動分析装置を導入しました。
以前使用していた小型の分析装置に比べ、処理能力が大きくなったため、入院・外来の当日報告および緊急検査の対応がより早くなりました。また、特に血中薬剤の即日報告は診療当日に処方薬剤の変更ができるようになりました。
血液検査
生化学検査と同時に感染症や急性の炎症の診断等に行う白血球分類は、自動化により結果報告に要する時間が短縮されました。特に、治療抵抗性統合失調症治療薬であるクロザリル投与患者には血液モニタリングが必須であり、即時報告のために大きな役割を担っています。
一般検査・その他
尿検査は自動尿分析装置で測定し、尿沈査は鏡検を実施しています。
その他の検査機器
- HbA1c
- 血液ガス
- アンモニア専用分析装置
その他の検体検査(POCT:Point Of Care Testing)
- 感染症簡易検査
- トロポニンT
- インフルエンザ
- ノロウィルス
- 尿中薬剤スクリーニング
生理検査
脳波、心電図、超音波検査を実施しています。
生理検査は患者にリラックスしながら安心して検査を受けていただけるよう厳密な中にも優しい対応での検査を心がけています。
脳波
私たちは、アーチファクト混入の除去に努め、検査目的に応じた脳波の記録を心がけています。
脳波計
心電図
当院での心電図検査は循環器の治療目的ではなく、QT延長、心室頻拍など向精神薬が心臓に及ぼす影響が表れていないか等のチェック、また、入院患者の健康管理のため、定期検査として行っています。
心電計
超音波
Convex型、Sector型、Linear型のプロープ(探触子)を備え、腹部エコー、心エコー、頸動脈エコー、下肢静脈エコー等の検査が可能で、当院では、医師が検査を行っています。
超音波画像診断装置
精度管理
信頼性のあるデータ提供のため毎日のコントロールデータ管理を行い、また、外部精度管理に参加しています。
- 日本臨床検査技師会主催精度管理サーベイ
- 静岡県臨床検査技師会主催精度管理サーベイ
- その他 検査機器メーカー主催精度管理サーベイ
検査機器保守管理
毎日、毎週、毎月行うべきメンテナンスの項目に沿って点検を実施し、不具合等は随時メーカーに問い合わせを行い、機器の管理に力を注いでいます。
教育研修
技術力および知識の向上のため、内部外部での研修会に参加しています。
- 日本臨床検査技師会主催研修会
- 静岡県臨床検査技師会主催研修会
- 製薬会社主催勉強会
委員会活動
各委員会で臨床検査技師としての役割を最大限に生かし、チームとしての活動に積極的に参加しています。
- 院内感染対策委員会(ICT)
- 栄養サポート委員会(NST)
- 褥瘡対策委員会
- リスクマネージャー委員会
- クロザリル委員会
放射線部門
平成25年度より当検査課の臨床検査技師が診療放射線技師の資格を取得し、非常勤技師とともに必要時に即時対応できるよう体制を整えています。
平成21年2月にPACS(医療用画像管理システム)を導入し、モダリティ(CR、CT)から受信した画像データは、デジタル保管しています。また撮影した画像は、各病棟、外来で閲覧できるようになっています。
平成24年度からは、聖隷沼津病院放射線科との連携により判読困難な画像について読影依頼を行っています。
一般撮影
天井走行の管球に更新されたことにより、撮影時の患者の負担は軽減され適格で迅速な撮影が可能になりました。
CT撮影
非造影の検査のみ行い、頭部、胸部、腹部の撮影を実施しています。