リワークとは
「リワーク」とは、return to workを略した言葉で、復職を意味しています。うつ病からの復職の成功(再休職予防)と再発予防を助けるしくみがリワークプログラムです。
「ぽると」では、復職に向けたリハビリテーションを行い、職場に戻って仕事ができるようになるまでの回復を促します。
これまでの行動や考え方を見直して、ストレスへのセルフケアの方法を身に付けることで病気の再発・再休職を防ぐことを目指します。
「ぽると」の名に込めた想い
「ぽると」ではリワークデイケアを利用される方を船乗りに例えています。操縦している船の整備点検が必要になったり、食料が不足したり、船乗り自身の健康を維持する必要があります。そのような時に「ぽると(港)」に立ち寄ってもらい、次の出向に備えます。
必要な準備を自分の力でできるようにお手伝いする、それが「ぽると」としての私たちの役割です。
「ぽると」3つのコンセプト
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やすらぐチカラ
リラックス・リフレッシュ - ストレッチやアロマなどを用いて心身のリラックス・リフレッシュを学びます。自分に合った気分転換の方法を見つけましょう。
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とらえるチカラ
心理教育・個人ワーク - 自分自身のものごとの捉え方の癖や脆さに向き合っていきます。考え方を変えようと無理をするのではなく「どう考えやすいのかに気づき、受容し、付き合い方を工夫する」という柔軟な心を育んでいきましょう。病気のことも、自分自身のことも、気づく力を身に付けていくことが大切です。
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ひきだすチカラ
作業・運動 - 仕事は体力だけでなく、集中・持続力・協調性や連帯の意識も大切と考えています。運動・作業の体験を通してご自身の持っている強みを発見・再獲得していきましょう。
ご利用になれる方
うつ病・躁うつ病・神経症圏の疾患のある、休職期間中で復職の意欲がある方。
生活リズムができ、医師の判断で症状が概ね改善しており、日中活動の場が必要でプログラム参加が望ましいと考えられる状態にある方。
他院に通院中の方もご相談は可能です。
ご利用までの流れ
- 主治医に相談・利用の検討
- 見学申請および日程調整
- 見学・体験
- ご本人の利用意志確認・主治医との検討
- 受理会議(主治医・リワーク担当医およびスタッフ)
- 受け入れ決定の場合、主治医からの利用指示 ※他院の方は当院の初診予約となります
- オリエンテーション・利用開始
月曜日の心理教育(こころコンパス)は月初めからの参加が必須です。
その他の曜日をプレ(慣らし)としてご利用いただきます。
リワーク活動から復職までのステップ
- リワーク活動
- 活動記録表の振り返りや気分・体調の把握
- 職場担当者への報告(随時)
- リワークプログラムへの活動参加
- チェックシート(復職準備性※)の作成
- 目標設定⇒自己評価⇒スタッフ評価⇒目標再設定
- 自己理解を深める・卒業課題(自分のトリセツづくり)
- 復職判断・復職申請とその準備
- 職場との調整(産業医との面談)
- 試し・慣らし出社 ※職場により手順が異なる場合があります
- 復職判定
- 復職後フォロー(復職者対象のプログラムを月1回土曜日午後に開催しています)
- 復職準備性とは・・・
業務中のストレスをケアできるように、体調やその他の準備を整えること
復職までの期間は概ね3.5~6か月です。
プログラムについて
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心理教育系
- 認知行動療法 アンガーコントロール エゴグラム 疾患・服薬・栄養教室など
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集団活動系
- アサーション ロールプレイ 企画立案と実施 ディベートなど
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運動リラックス系
- ストレッチ 音楽鑑賞 運動 マインドフルネス お茶会など
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デスクワーク
- 脳トレ 読書 創作 課題発表 要因分析 自己評価作成など
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卒業課題
- 自分のトリセツ作成と発表 最終自己評価の作成など
1日の流れ
右にスクロールして全体を見る >>
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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8:45 | 開室 | 開室 | 開室 | ||
9:00 | ミーティング | ミーティング | ミーティング | ||
9:30 | スキルアップタイム (15分間の休憩) スキルアップタイム 作業管理シート記入 |
個人ワーク・デスクワーク (15分間の休憩) 個人ワーク 作業管理シート記入 |
個人ワーク・デスクワーク (15分間休憩) 個人ワーク 作業管理シート記入 |
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11:45 | ミーティング 活動の振り返り |
昼食 休憩 |
昼食 休憩 |
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12:00 | 終了 | ||||
12:45 | 開室 | 開室 | |||
13:00 13:45 14:00 |
ミーティング 個人ワーク・デスクワーク 作業管理シート記入 休憩 こころコンパス (心理教育系) |
ミーティング MOVE・1⁄f (運動リラックス系) |
ミーティング 課題別活動 |
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(15分間の休憩) | (15分間の休憩) | (15分間の休憩) | |||
15:45 | ミーティング 活動振り返り |
ミーティング 活動振り返り |
ミーティング 活動振り返り |
ミーティング 活動振り返り |
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16:00 | 終了 | 終了 | 終了 | 終了 |
- 上記に加え、疾患教室(精神科医師)・服薬教室(薬剤師)・栄養教室(管理栄養士)等の講義、行事やイベントの企画・実施をしています。
- この他、月に1回(土曜日午後)、当院リワークを終了された方を対象に、フォローアップグループナビを開催しています。
スタッフ
医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、公認心理師
薬剤師・栄養士(内容に応じて担当依頼)
費用について
各種保険が適用されます。
自立支援医療制度をご利用されると更に費用が軽減されます。個人の条件により、自己負担額は変わりますのでご相談ください。
リワーク終了者の声
- Aさん
- 当初はリワークを受けた実績目当ての受講でしたが、参加を重ねるごとにスタッフや同じような苦しみを乗り越えようとしているメンバーのサポートを受けながら、自分と真剣に向き合える良い機会だと理解し、前向きにプログラムに取り組めました。
卒業した今では、「ぽると」でリワークを受けることができて良かったと本当に思っています。 - Bさん
- 少人数制で一人一人をよく見てもらえていると感じました。
無理やり型にはめようとする指導ではなく、人それぞれのゴールに向けてしっかり確実に導いてもらった事に暖かみを感じました。 - Cさん
- クリニック通いだけでは解消できなかった気持ちの落ち着きどころが、リワークへ参加し、講義を受け、スタッフや仲間と触れ合う事で自分の短所に気付き、アドバイスをもらった事で自分を変えてみようと思った。自問自答が続いた日々に一応のけじめが付き、復職への意欲が湧いた。
- Dさん
- リワークに参加した事で、昼夜バラバラだった生活リズムを整える事ができた。こころコンパスなどの講義を受けて、自分の状況を掘り下げて確認する機会を受け、良いことやそうでない事を知る事が出来た。今後の人生にそれを生かしていこうと思った。
- Eさん
- 休職で人との関わりがほとんど無くなった私にとっては、家族や友人以外の人と関わる場所が出来たのはとても嬉しかったです。ここで会う人たちは同僚でも友達でもない関係ですが、一番刺激し合える存在です。
ぽるとでは、多くの方がプログラムを経験し、新たなステップを踏み出しました。悩みを抱える仲間と共に同じプログラムを通して自分の意見を発表したり、仲間と交わし合ったり、今まで自分では気が付けなかった点をスタッフから言ってもらう事で「より充実した生き方」を発見できる場です。
★リワークのメンバーが作ったポスターです PDF[210KB]